ピッキングなどの開錠による空巣・侵入対策について解説

鍵のピッキング等について
最近、留守中や就寝中に玄関ドアから侵入して金品を盗られる事件が急増しています。
しかも、そのほとんどは鍵をかけているにもかかわらず起こっています。

これは、ピッキングという方法で鍵を開けているのです。
ディスクシリンダー錠ならば、20秒もかからずに開けられてしまいます。
ディスクシリンダー錠は最も普及している鍵で、日本全国で約7,000万個出回っています。
マンション空巣の約50%はピッキングで侵入しています。

恐ろしいことにピッキングに用いるピッキングツールというものは、堂々と通信販売や店頭で販売されています。また、ピッキングツールに使用方法のビデオまで付いているものもあります。

元々この道具は鍵屋さんと一部の泥棒だけが使っていたものですが、通信販売で大量に売られ、またそれにより価格も下がったため、ほとんど一般化してしまっています。
勿論、誰でも簡単に鍵を開けられる様な道具ではありませんが、普通の鍵ならば少しの訓練で開けられるようになります。

物取りの場合は比較的すぐに被害がわかりますが、盗聴器を仕掛けられたり、その他のストーキング行為をこっそりと行い、その後施錠された場合は気づかずに生活している可能性があります。

それでは、どうすれば良いのでしょうか?

上記ディスクシリンダー錠は簡単に開けられてしまいますが、一般のピッキングツールでは非常に開けにくい(または開けられない)鍵を追加・交換することをお勧めします。
ロータリーディス型・電子ロック型・ディンプル型等があります。

できれば交換ではなく、追加して1ドア2ロック以上にすることをお勧めします。
空き巣の立場に立て考えれば、わざわざ2ロックしている(しかも開けにくい)家を狙うよりも、1ロックだけの家がたくさんあるので、その空き巣にとってよほど魅力がある家であるか、あるいはドア部分が死角になっていて長時間作業できない限り、他に狙いを変えるでしょう。

追加・交換には建物・ドアの構造により様々な制約がありますので、お近くの鍵屋さんにご相談ください。
価格は上記3種類の鍵の場合、10,000円〜30,000円程です。

また、2002年カム送り開錠による被害が多発しています。
これは鍵穴周辺の隙間から工具を差込み、開錠する手法です。
専用の防止カバー等が販売されています。

また、ドア郵便受やドアスコープ(覗き穴)部から特殊工具を差込み開錠するサムターン回しという侵入方法も増えています。
これも内側サムターンにつけるカバー等が販売されています。

バンピング(2010年追加)
ピンシリンダー錠を開けるために特殊加工したバンプキーを用いる開錠方法です。
数十年以上前からある開錠手法ですが、最近テレビ番組に取り上げられて一般の方の恐怖心を煽っています。
警視庁ではバンピングの摘発事例は無いようです。
また、日本ロック工業会も、現在の鍵ではバンピングによる犯罪発生の可能性は非常に低いと表明しています。
弊社は鍵に関しては専門ではありませんが、何か一部の業者が恐怖心を煽ってIC認証・指紋認証キー等の高額なものに付け替えさせて一儲けしようとしている様に見えます。

高性能な鍵の交換だけでは万能ではありません
弊社の盗聴盗撮調査のご依頼の中で、空巣に入られたので調査してほしいという場合が多くあります。
その中の一部では、調査に訪れるとドアは酷い状態になっている場合があります。
鍵の種類など一切関係無く、バールの様な物で無理やりこじ開けている件が複数ありました。
この様な開け方をされると、どの様な鍵も無力となります。
また、マンション入り口・エレベータ内に監視カメラがあり、向いマンションベランダからもドアが良く見えるマンションでも昼間にこの様な侵入方法をされていた場合がありました。
ピッキングされにくい鍵に交換することは必要ですが、それで入られなくなることはありません。
警備会社との契約、大音量のアラームや発光ランプ、侵入通報装置などを併用する必要があります。


尚、弊社は鍵は取り扱っておりませんので、鍵自体に関するお問い合わせはご遠慮願います。



鍵を交換・追加できない場合はどうすればよいのでしょうか?

ドア部分に警報装置を付けるという方法があります。
何者かがドアを開けると、けたたましい警報音を発する事により、それ以上の侵入を防ぐという方法です。
ただし価格の安い単なるドアアラームの場合、住人の出入りでも鳴るため、ご近所の方々が聞き慣れますし、夜間などは近所迷惑にもなりますので、暗証番号やリモコンで制御できるものをお勧めします。
弊社でも各種取り扱っておりますのでこちら(ピッキングアラーム・侵入警報器・高機能自動通報機)をご参照ください。

また、監視カメラや本物のカメラにそっくりなダミーカメラを設置することもお勧めします。
これらに関しては、監視カメラシステムをご参照ください。
ただしマンション等の廊下に向けて、威嚇する防犯用カメラの設置はご近所の方々が嫌がられますのでお勧めできません(設置自体が認められない場合がほとんどです)。一戸建て等の場合でも、カメラを向ける方向によってはご近所との間で問題が発生する場合がありますので、設置に関しては十分にご注意ください。(この様な場合は、そこにあってもおかしくない物にカメラを仕込むという方法があります。→偽装カメラ)