尾行・追跡などに悪用の恐れがある位置情報端末に関する解説

位置情報端末について
最近、「GPS電波と携帯電波」や「PHS電波」を利用した位置情報端末がよく利用されています。
子供・痴呆老人・車などがどこにいるのか調べるために開発されたものです。
この端末を入れていた宝石商のカバンが盗まれた時、犯人検挙に威力を発揮したのは有名な話です。
また、自動車やバイクの盗難事件解決にも大きな成果をもたらせています。

しかし、小型・高性能がゆえに最近悪用されることが多くあります。
ここでは、「セコム株式会社」の「ココセコム」、「DOCOMO」の「P-doco?」、「GPS機能付携帯電話機」、「GPSデータロガー」について解説します。

ココセコム
GPS衛星からの電波と携帯基地局からの電波で現在地を割り出し、その位置を携帯電話回線を通して送信するものです。
位置精度は5m〜10mでかなり正確に位置を把握することができます。
実際に使用してみてもカタログスペック通りの性能で、住宅街で道一筋違いの移動も完全に把握できます。

ココセコム  セコム

以前までは車などの現在地を把握するためには尾行が主でしたが、この端末を利用すると家に居ながらにして、携帯電話やコンピュータ画面上の地図で現在地を確認することができます。
それゆえに、興信所や夫婦間で使用されることが多々ある様です。

実際、弊社の発見調査においても男性の車から出てきたことがあります。仕掛けたのは奥さんでした。
この男性は、ゴルフに行くと言っては大阪市内で密会していたそうですが、奥さんが気づいている様なのでおかしいと思い、弊社に事務所の盗聴調査と車の調査をご依頼されました。
奥さんは、ゴルフに行っているはずのご主人の車が、いつも一日中大阪市内を走っているのを完全に把握していた様です。

写真は旧型です。最新のものとは大きさ・形状は違います。


P−doco?

P-DOCO?

このサービスは2007年に終了しています。

NTTドコモのPHS電波を利用して位置情報を取得します。
精度は100〜200m程度でココセコムよりはかなり劣ります。
ただし、ココセコムに比べサイズが非常に小さいという特徴があります。
こちらも、携帯電話・インターネット・FAX等で現在地を確認できます。

以前、殺人事件の被害者の車に取付けられていたことで問題になりました。

写真は専用端末ですが、PHS電話機にこの機能を持ったものもあります。


GPS機能付携帯電話機
最近の携帯電話機にはGPS機能が付いていて、現在どこにいるのかを相手側に知らせることができます。
携帯電話機・パソコンで相手の居場所(携帯電話機の場所)を探せます。
ただし、ID/パスワードが必要であったり、探される側の設定が必要なので、知らない人間に勝手に居場所を知られることはありません。
主に、子供の居場所を親が監視するのに利用されています。
エリア設定をすると、子供がそのエリアから出ると知らせる機能もあります。

悪用される場合は、知らずにその様な携帯電話機を持たされている場合です。
或いは、携帯電話機の設定を勝手に変更されて現在地通知を「許可」にされている可能性があります。
また、車内の目立たない場所にこの様な携帯電話機を隠されて、車両の現在地を把握されている場合もあります。
いずれの場合も、夫婦間での浮気調査などに利用されている様です。


GPSデータロガー

GPSデータロガー データロガーとは、継続的に測定データを保存していく機器です。
温度・速度・加速度など色々な測定用途のものがあります。
最近、GPS位置情報データを刻々と内部メモリーに記録していくGPSデーターロガーが安価で販売されています。
価格は数千円程度で小型のものはUSBメモリーサイズ、データの取出しも同様にUSB端子をパソコンに接続します。
小型のもので内部充電池で動作する場合は、連続十数時間のデータを保存できます。
車両などに取付けられると、何処をどう移動したのか移動速度・停車時間まで完全に把握されます。
また、小さいためカバン等の持ち物に入れられている可能性もあります。
ただしリアルタイムではなく、後でデータロガー本体を回収またはデータを取出して位置情報を手に入れます。



上記以外に、車のカーナビゲーションの走行軌跡から移動情報が漏れる場合もあります。


これらの製品は前述の通り、本来は「家族・財産を守る」「各種データを測定する」ために開発・販売されているものです。
契約時に契約者氏名・住所などが完全に把握されているため、悪用してもすぐに身元が判明します。(データロガーを除く)

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